マラ7攻略日記(水響 ホルン編) 第5回 (1999/6/20)

ここらで一休み

6/20(日)  6回目の練習日

 さて、今日の練習は3,5楽章である。今日は初めてアシをつけることとなった。スペースが1人分狭くなるのでこんな問題が・・・

●いくらせまくても・・・
 セッティングも終わって着席してるのに、人の目の前に自分の譜面台を割り込ませてセットする奴がいるかふつう!!(ちなみにホルン内ではありません)。まずは人として問題がない程度になってから、練習に臨むようにして欲しいものである。


【第3楽章】

 「この楽章は余計かも?」と最近思ってしまう。どうも他の楽章と比べて内容的に見劣りしてしまう割には、中途半端に難しい。ホルンにとって特にいやなのは、下降系のグリッサンドだ。

●グリスの基本はリップスラー
 グリッサンドといえば思い出すのが、かの名曲「アフリカンシンフォニー」。でも、アフリカンシンフォニーのグリスは上昇系なので、初心者の中学生でも簡単にできたりする。
 ではなぜ下降系のグリッサンドはできないのか。答えは簡単、リップスラーができてないからである。特に下降系のリップスラーは苦手な人が多い。やはり基本は重要だということに改めて気づかされる。

●後打ちはホルンの十八番?
 3楽章は3拍子系の曲であり、ホルンはやたら「ブンチャッチャ」の後打ちが多い。後打ちはホルンの十八番とノリノリでやっていると、ついウィンナワルツ風になってしまう。TPOに合わせた後打ちを心掛けたい。

【第5楽章】

●だんだん疲れが
 最近いろいろな練習が立て込んできて、どうも疲れがたまっているようである。以前の練習では5楽章は最後まで吹けたのに、今日の練習の感じではもたなさそうだ。アシのつけがいもあるというもの。アシの人には是非頑張って欲しい。

●アンブシュアを直さねば
 疲れがたまると、まずハイトーンが出なくなる。今日は記譜の上のソ(実音C)以上になるとえらくきつい。自分なりに吹き方を分析してみると、どうもアンブシュアが崩れているようだ。これはマズい。



 調子が悪い上にバテているという最悪のコンディションのため、一刻も早く練習を終わりにして欲しかったのだが、なんと「時間があまったので第1楽章を最初から通しましょう」という死刑宣告のような指揮者の一言。

【第1楽章】

●すでにバテは限界を超え・・・
 ここまでくれば、あとはどんなに吹いても関係ない。バテも限界を超えると、突然音が出やすくなってくる。一回通すということだったので、終わりも見えているので、心おきなく吹きまくることができた。

●通し練は全体が見渡せてよい
 いつもの練習はかなり細かく止めながら進むため、体力の落ちた人向きでいいのだが、たまにこのような通し練をやると、全体が見渡せていろいろと発見がある。同じような旋律のようで実は1回目と2回目のリズムがちょっと違っていたりとか・・・この通し練は非常にためになった。是非次回以降の続けて欲しいものだ。


練習後の感想

●急激な練習量の増加は禁物
 私はアマチュアにありがちな週末プレーヤーであり、平日はほとんど楽器には触らない。これまでは、土曜日は体を休め、日曜日に集中的に練習するというスタイルだったが、ここのところ、ホルンアンサンブルや1905(第1回の日記をご覧ください)など練習が立て込んでおり、土日はほとんど休みなしという状態が続いている。
 アンブシュアを直すためにはここらで一休みが欲しいところだが、来週から1ヵ月ほど急ぎの仕事が入っており、練習にも出られない日々が続きそうである。調子を崩したときは、しばらく楽器から離れると結構良くなったりするが、仕事で体を休める暇がないためよけい体調を崩しそうである。休みが欲しい!!



今日のワンポイントレッスン

※「舌と肺は同時並行的に別々の動きが可能」って一体

 第2回の予告に書いたが、第1回の日記の続編である。
 標題の件に奏者が気づいているかどうかで、リズム感から音程まで全く変わってしまう。

◆きれいなタンギングのために
 第1回の日記には舌の付け方と離し方を説明した。しかし、舌の付け方と離し方をマスターしただけではきれいなタンギングにはならない。金管奏者の方は、タンギングの良し悪しを決める重要な要素に息の使い方があることをもう一度思い出してみよう。
 長い音符が続く中でのタンギング、短く切るタンギングと、種類によって息の使い方は違う。マラ7では、意外に第3楽章の「ブンチャッチャ」の後打ちがきちんとできていない。若い時にブラスバンドとかでさんざん後打ちをやらされてきたはずなのに、なぜかこういった基本が弱い人が多いのは非常に疑問である。

◆長い音符が続くときのタンギング
 「長い音符が続くときのタンギング」といっても、大きく2つある。

 (1)レガートタンギング
 (2)普通のタンギング

 レガートタンギングは、息の流れは止めずに、舌で音を切る。水道の水の流れを水の形が変わらないように包丁で切っていくようなものである。したがって肺から出ている息は音とかかわりなく一定であり、舌はすばやく息をきれいな断面で切らなければならない
 普通のタンギングは、息の入れ方と舌のつき方の組合せで様々なものがあるが、後述するように音の後処理に注意が必要である。

◆短く切るタンギング
 短く切るタンギングは、破裂音が入りやすい人は特にひどいことになる。破裂音が入っているのに、自分はすごく大きな音が出ると勘違いしている人が多いので、各自改めて自分の音を注意深く聞いて欲しい。
 破裂音は、息と舌のバランス調整がうまくできていないために発生する。原因は息だったり舌だったりその組合せだったりと、いろいろ考えられる。場合によっては、タンギングのときだけアンブシュアが微妙に変わってしまうために破裂音が発生していることもある。解決するためには次の点に注意して地道に練習することが望ましい。

・音を出す瞬間だけ息を入れすぎていないか?
・息を舌でダムみたいにせきとめすぎていないか?
・舌先に力が入りすぎていないか?
 いずれにしても、舌の動きと息の動きは連動しながらも別物であり、この組み合わせを微妙に調整することで音の立ち上がりの印象やアクセントの質を変えることができる

◆音の後処理が重要
 せっかくきれいにタンギングができても、音の後処理を誤ると台無しである。
 短く切る後打ちのようなものでも、舌で止めるか息で止めるかによって、効果は全く異なる。しかも、後処理の舌と息の使い方を誤ると、音程まで崩してしまうこともある。
 一度音を出したら出しっぱなしというのではなく、立ちあがりから後処理まで十分に気を使いたいものである。

音は最後まで責任を持って!


本番まで練習はあと9回!!

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※用語解説※

アシ
 「アシスタント」の略。決して「アシひっぱり」「アシ元にも及ばない」ではない。

ホルンアンサンブル
  国立ホルニステンの第8回演奏会に向けた練習が本格的に開始されている。今回の演奏会では、国立フリューゲルホルニステンをゲストに迎え、マーラーの復活を取り上げる。
 詳細は国立ホルニステンのHPへ。

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