マラ7攻略日記(水響 ホルン編) 第1回 (1999/4/25)

意外に簡単?

4/25(日)  2回目の練習日

 3/28の譜読み、4/18の練習は所用で欠席。本日はじめて練習に参加した。楽譜を事前に入手してなかったので、私は本日が譜読みである。

●練習前は必ずウォームアップを!
 今日は朝から別の練習(1905)もあるので、出勤時と同じ時間に起床。練習室近辺での音出しが禁止されたため、朝食後、自宅で取り敢えずウォームアップ(20分)。相変わらずサイレントブラスをつけると音程が悪い。

●楽器選びは慎重に
 自宅を出る前にまずはメルヒオール選びから(詳細は私の楽器紹介のページをご覧下さい)。フルダブル、セミダブル、Bbシングルのうちどれにしようか?ちょっと前にBSでやっていたBPOのマラ3では、ほぼ全員がアレキを使用しパリパリ感が気持ち良かったので、あのイメージを再現するためは...ということで、春祭でさえ撃沈していたことも忘れ、フルダブルを手にいざ出発。


 1905をみっちり3時間練習したあと、休憩をはさんで午後3時からマラ7の練習が始まった。1stホルンのパート譜は表紙込みで23ページとマラ6に比べページ数も少ない。ちょっと気が楽に。

【第3楽章】
 出だしは何となくショス11の2楽章にも似ている気がするが、うねうねした曲でよく訳が分からない。全体的にトリッキーな感じ。出てくるパッセージは後打ちか細切れの対旋律ばかりでストレスが溜まりそうである。

●冷静沈着
 「やっと旋律だ!」と思っても、こういう曲に吹きすぎは禁物である。247小節からの旋律はつい朗々と歌いたくなるがチェロより小さくとの指示。この楽章の意図するところは、ホルン奏者をイライラさせて疲労させることにあるようだ。「その手には乗るか」と居直り、極力平坦に機械のように吹くことを心掛けてクリア。

●今後の課題「拍子はアタマで」
 合奏して気づいたのだが、ずっと3拍子の割には結構乗りにくい曲なので、つい体で拍子をとってしまいがち。放っておくとどんどん遅れていく。特にホルンはベルが後ろを向いているため、必ず遅れること請け合いである。体を動かすのは自己満足以外の何物でもないとしばし自己反省。ザッツ以外の拍子は必ず「アタマ」で考えるようにしよう。


【第5楽章】
 めくってもめくっても終わらなかったマラ6の4楽章が頭の中にあったため、それに比べたらページ数も少ないが、でもきついものはきつい!! 1楽章から吹き通したらきっと最後のHigh Eは出ないに違いないと思われる。
 ただ、救いは息の長いフレーズが少ない点である。シベリウスやチャイコフスキーによくあるような息の長いフレーズがマーラーのような頻度で出現したら、マーラーはアマオケではこれほど頻繁に演奏されなかった(いや、できなかった)だろう。

●パート譜に間違いが!
 何とパート譜に結構たくさん間違いがあることが判明。2ndと3rdの楽譜がかなり入れ替わっているようだ。189小節、408小節などなど...スコアも間違っているため、一見すると分からないが、何故か突然2ndが3rdより高い音になってしまう部分はほとんどスコアもパート譜も間違いと思った方がいいようである。

●走り込みは不要か?
 前述のように、息の長いフレーズは少ない。さらに特筆すべき点は1stと3rdがダブっているところがかなり多い。これにアシをつければソロ以外休みでもいいかも。ゐじふいんさん、Qさんよろしく。当初は走り込みも必要と考えていたが、以外に楽そうである。

●やっぱり「遅れないように」
 これだけ四部音符が並ぶと、分かっていてもあと押し気味になるものである。特に普段からCDをしょっちゅう聞いている人は要注意。結構CDは録音の関係で後ぶくらみして聞えるものがあり、ホルンは後から音がふくらむ楽器だと勘違いする人もいるようである。


練習後の感想

●意外に簡単?
 ホルンに関して言えば「意外に簡単?」が正直な感想である。ただし、今日の練習は3、5楽章しかやっていないところがちょっと不安である。1楽章は長いうえに吹きっぱなしだし、2、4楽章はソロばかりでちっとも楽できない。次回以降の練習に乞うご期待といったところか。

 今日は個人的にははじめての練習ということもあり、他楽器とのアンサンブルや曲全体のまとまり等考えずに、純粋にホルン吹きとしてこの譜面をどのように吹きこなすかに着目して合奏に臨んだ。そのため、あまり大きな課題を抱けない結果となったが、逆に基本中の基本である次の点を再認識することができた。

※正しいタンギングとは
 ホルンにつきものの「遅れる」現象は、前述のように体を動かすことも大きな原因だが、もっと基本的な問題として、正しいタンギングができていないケースが多いことも指摘できる。何が「正しい」タンギングかは議論の余地があろう。舌を当てる位置一つとっても千差万別だし、教則本によってはいろいろな方法を紹介しているものもある。
 しかし、要はプロセスではなく結果である。結果として次の(1)〜(4)までをクリアすればそれは正しいタンギングと認識していいと思う。では、どんな結果を出せればいいかというと、
音の立ちあがりに
 (1)雑音が入らない
 (2)音程が変わらない
 ここまでは、舌を離す瞬間の現象であり、舌を離す瞬間まで問題がなければ(1)(2)はクリアできる(あさださん読んでますか?)。
さらに、離す瞬間から舌を通常の位置に戻すまでに問題なければ
 (3)音の立ちあがり後の音量
 (4)音の立ちあがり後の音程
が、たとえ心は屈折していてもトコロテンのようにまっすぐになる。
 舌をはなして通常の位置に戻すことができれば、舌を付けることも容易にできるので、これでタンギングは完成。個人的には「舌を付けるときではなく離す瞬間に音がでるようにしている」ので、この辺も参考にしていただけると幸いである
 どうしてもできない人は、タンギング単体ではなく、息の吐き方に問題があるのかもしれない。これを書くととても長くなるので詳細は今後に譲るとして、取り敢えずヒントを1つだけ。

舌と肺は同時並行的に別々の動きをさせることができます。


本番まで練習はあと13回!!

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※用語解説※

メルヒオール
 この日記の作者が使用しているホルンの製作者(故人)。製作者の生前は、あのザイフェルトが好んで彼の使用していたことで有名。

1905
 ショスタコーヴィッチの交響曲第11番をやるために設立されたオケ。詳しくは1905のHPへどうぞ。

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