マラ7攻略日記(水響 ホルン編) 第11回 (1999/9/19)

温故知新

9/19(日)  12回目の練習日

 1905の本番も終わり、最近になってやっと頭のなかがマラ7に集中できるようになってきた。今日は4,3,1楽章と盛りだくさんの練習である。でも最近2楽章をやった記憶がないので、ちょっと心配かも。
 他のパートでは、近頃パート練習がぼちぼち始まっているようだ。ホルンパートはホルニステンの本番が近いのでそちらの練習に時間をとられ、パート練習ができない状況である。でもホルニステンのメインは「復活」だし同じマーラー同士、とりあえずはまあいいか...


【第4楽章】

●強弱ははっきり
 この楽章は、個人あるいは各セクションの抑揚をいかにつけられるかが肝心である。他の楽章と違って、聴衆を突き放したような感じではなく、それぞれが歌いまくって(でもテンポはずれないでね)聴かせるようにもっていかなければならない。
 何度か書いたが、水響は怒涛系の演奏が得意ではあるものの、意外に感情を込めて(歌いこんで)演奏することに抵抗感を持つ人が多いようだ(あるいは感情を表に出すことがはしたないと思っているのかもしれない)。この楽章でも、指揮者に注意された直後はいいのだが、すぐにスカした演奏になってしまう。

●縦線を合わせよう
 強弱をつけるときに注意すべき点がこれだ。普段あまり強弱を意識してないものだから、たまにクレッシェンドデクレッシェンドなどしようものなら、とたんにテンポがずれてしまう。
 「そんな一度にテンポも強弱も音程も・・・なんて言われても」という泣き言は厳禁(意外に甘えた人は多いものだ)、それくらいはアマチュアでも演奏会をやる以上は出来て当然である。

【第3楽章】

●もっと感情を
 スフォルツァンドやフォルテピアノが足りない、怖さがないとの指揮者からの指摘。前述の通りもっと感情を出すようにしたいものだ。
 3楽章全体としては、なぜか練習回数が多いため、出来は4楽章よりも良い。やっぱりこういう楽章は身体に覚えこませなければだめなようだ。このくらいテンポの速い曲になると、スフォルツァンドやフォルテピアノを反射的につけるのは難しい。練習不足で楽譜を追いながら吹くときでも、余裕を持って5小節先とかワンフレーズ先までの展開を見越して演奏しよう

●楽器の調整が必要か
 今年は残暑が厳しく、9月に入ってもかなり暑い日が続いている。これだけ暑いとグリスが溶け出したりして、ホルンなどの金管楽器にとっては良くないことが多い。
 私が最近買った楽器も、ロータリーのふたを開けてみると、結構悲惨な状態になっている。今は突然止まったりすることがないのでだましだまし使っている。リペアに出すと、あまりひどい場合はロータリーに酸を通すらしい。最近聞いたところによると楽器はまずロータリーからやられていくらしいので、酸を通すのは長期的な楽器の維持の観点からすると問題が多いようだ。

【第1楽章】

●ダブルはトリプルを兼ねる
 ダブルホルンはトリプルホルンを兼ねられないが、タンギングは別、ダブルタンギングが自在に出来ればトリプルタンギングは要らない(こんなことを書くと苦情が出そうだが)。
 1楽章の43,44小節目には、かなり難しい3連符のパッセージがあり、シングルタンギングでやる方が音がはずれにくい。ダブルタンギングの練習をしておけば、正確なリズムで演奏することができる。
 私も今まで安全策をとってシングルでやっていたのだが、今日からダブルにしてみたところかなりいい感じだ。

●楽譜にはメガネマークを
 知る人ぞ知る3rdホルンの泣き所が、練習番号40の1小節前。こんな音域でppだったら、多分クラリネットのような音色になるはずだから、ここで休んでいる1stクラリネットが吹くように書いたらいいと思うのだが、マーラーはなぜかホルンに書いてしまった。しかも例によってテンポが遅いだけでなく、自然にrit.までかかってしまうのだ
 3rdホルンは随分先に終わってしまい、案の定注意を受けたのだが、次回の合奏に期待したいものだ。


練習後の感想

●同時にいくつものことを
 第4楽章のところで「そんな一度にテンポも強弱も音程も・・・なんて言われても」と書いたが、これが出来ないとスタート地点にも立てない。
 例えば、人が歩いてるときは、「呼吸をする」「足を動かす」「手を前後に振る」「耳で音を聞く」「目で前をみる」、人によっては「鼻歌を歌う」など、こんなに多くのことを1度にやっているのだ。たかが「音程」「リズム」「音量」の3つくらいを同時にコントロール出来ない訳がない。
 聖徳太子は一度に10人(だったかな)の人がしゃべることを聞き分けたという逸話(「いつろー」の話ではない)があるが、耳だけで10個できるなら、5感×10個=50個くらい同時に違うことができるのではないだろうか。霊感ヤマ勘第六感(古い)まで入れたらもっとだ。もっと感性を研ぎ澄まして、本番だけでなく合奏時にも全開しよう。

●次回からいよいよ全楽章練
 次回からいよいよマーラーの合奏は毎回全楽章、しかも商工会館である。この会場は、会館前の自販機のジュースよりも、ちょっと歩いたところにある自販機のジュースの方が10円安いことが特徴である。話はそれたが、しばらくやってなかった(何と合宿以来)2楽章の練習もあり、ますます体力勝負となりそうだ。
 次回の練習はもう10月であり、スポーツの秋まっさかり。体力増進を心掛けたい。


今こそ聖徳太子に学ぼう!


本番まで練習はあとたったの3回!!

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【次回予告】

●ダブルタンギングのワンポイントレッスン
 ダブルが出来ればトリプルは要らないという、私の信念(トリプルができないあきらめともいう)と練習法を解説します。


※用語解説※

1905
 第2回の日記でも触れたが、ショスタコーヴィッチの交響曲第11番をやるために設立された「オーケストラ1905」のこと。8/29(日)の演奏会は、客入りは少なかったのが残念だったがなかなかの出来であった(と思う)。

ホルニステン
 第5回の日記で紹介した国立ホルニステンのこと。この日記の作者は国立ホルニステンのHPの作者が兼任している。

復活
 マーラーの交響曲第2番のこと。初演の指揮者はなぜかR.シュトラウスであった。水響では、2000年の末にこの大曲を池袋の東京芸術劇場で演奏する予定である。乞うご期待。

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